星
(ほし)
北野恒富(1880〜1947)
昭和14年(1939)
175.3×84.9 絹本着色
夕闇迫る夜空を背景に、ひとりの女性が涼やかな表情で中空を見上げています。背景の深い青色が、人物の透き通るような肌の色と白い着物を浮かび上がらせます。着物の柄は花火、帯には大振りに星をあしらい、背後に輝く一番星に呼応させる趣向を見せています。あざやかな色彩のコントラストが映え、また意匠からの連想によって夏の夕暮れの風情を感じさせる作品にしあがっています。作者の北野恒富は、大正から昭和にかけて、大阪の日本画壇の中心的存在として活躍しました。恒富の作品には、女性の何気ない姿をとらえたものが多いのですが、構図・色調・意匠などにさまざまな趣向をこらし、いずれも情感豊かな作品にしあげられています。