伽羅の香
(きゃらのかおり )
島 成園(1893〜1972)
大正9年(1920)
212.3×82.7 絹本着色
妖艶な花魁の立ち姿が、赤、黒、金など印象的な色彩で描かれています。花魁や遊女が観音や菩薩といった聖なるものにたとえられることがありますが、本作品の花魁の背後の光輪などはそういった系譜を思わせるに十分でしょう。あるいは歌舞伎の女形のような色気を発し、この世のものとは思われない印象をうけます。後年、清らかでおだやかな作風をきずいた島成園の初期の作品です。「伽羅の香」というタイトルのとおり、色彩が匂いたつような大正時代独特の退廃的な美を感じさせる傑作です。