虞山草堂歩月詩意図
(ぐざんそうどうほげつしいず )
銭杜(1761〜1842または1764〜1845)
清時代・嘉慶18年(1813)
阿部コレクション
138.2 ×53.0 紙本着色
自題の七言律詩、虞山の草堂で過ごした時に詠んだ歩月の詩意を描いた作品です。歩月とは月影を踏んで歩くことです。白居易に歩月を詠んだ詩があり、それを意識したものです。図は、月の光が閑寂な草堂の情景を照らしだし、主人が客の帰るのを門前で送っています。月は低くにあり、樹の影に重なる人の影が地面に長くのびています。淡い彩色には、銭杜が学んだという明時代中期の文人画家、文徴明の描法に共通するところがあります。一方、太湖石や土坡にみられる執拗に墨線を重ねる描法は独自のものです。