蘭図
(らんず )
鄭思肖(1239〜1316)
元時代・大徳10年(1306)
阿部コレクション
25.7×42.4 紙本墨画
鄭思肖(ていししょう)は宋朝の遺民で、名の思肖は、宋が滅んだのち改名したものといいます。宋の皇帝(性は趙)を思うということを意味しています。画題の蘭は、菊・竹・梅とともに四君子と称されます。その図は、すなわち高潔な君子にたとえて描かれたもので、宋元代以降に文人の墨戯として流行しました。この作品で、君子の象徴である蘭に根が描かれていないのは、地が異民族に掠取されたことを寓し、元王朝に対するはげしい抵抗の精神を表現しています。